2005年春、中国の玩具屋に「変形合体するトーマス」が突如として姿を現した。以降、変形非変形問わずさまざまな機関車玩具にトーマスの顔を取付けた後続商品が発売された。その多彩なラインナップの中でも、最初に発売された3輛合体する「変形托馬斯(TRANSFORMABLE TOMAS)」は、インパクト絶大で様々なバリエーションも発売されている。
今回はチャンピオンクラウン社の「LOCO SQUAD」を原点とする「変形托馬斯」のバリエーションを、真面目な玩具レビューホームページや、フィギュア誌系ムックの記事っぽく紹介していきたい。
なお、アジアの玩具は彩色や付属パーツなどがその場のノリで変更されるため、ここで紹介している以外のバリエーションも多数存在することは間違いない。
001 >>> LOCO SQUAD
チャンピオンクラウン社のオリジナル変形玩具。 1998年頃に発売となり、アジア各国をはじめとする世界中で販売された。 黒い機関車をボディーとし、青い機関車と緑の機関車がそれぞれ右腕+右足、左腕+左足となる。 合体時に使用する剣と盾が附属、どちらもオレンジクリアで成型されている。 変形機構やコンセプトなどに『勇者指令ダグオン』のライナーダグオン(廉価版玩具)の影響が見受けられるが、金型は独自のものを使用しており、デザインもチャンピオンクラウン社によるもの。 機関車形態、合体ロボ形態共にチャンピオンクラウン社ならではのSFアレンジの効いた秀逸なスタイルとなっている。 |
|
各部にメッキパーツとクリアパーツが使われている。 |
付属武器。盾は左腕側面に取付ける。 |
パッケージ。CG風のイラストを多用したパッケージデザインは、当時のチャンピオンクラウン社の特徴。
002 >>> 変形托馬斯(TRANSFORMABLE TOMAS)
別名「SUPER TOMAS」。 2009年4月頃、中国での「湯瑪仕小火車(きかんしゃトーマス)」放送にあわせて発売された。 001の各車両にトーマスの顔を取付け、カラーリングが作品中に登場するレギュラー機関車のカラーリングに変更されている。 カラーリング以外にも、肩と股関節の取付け部分に角度を加える変更がなされており、合体ロボット時に「ハ」の字になるように再設計されている。 他にも拳の取付け方が001とは左右逆になっており、また赤い車両の最後輪がオミットされているなどの変更点も見られる。 トーマス顔基部のリング状パーツのカラーリングが異なる、多数のバリエーションが確認されている。 基本的に武器などの付属品は存在しないが、後期に発売されたバリエーションには「湯瑪仕小火車」の収録されたVCDが附属するものも存在する。 |
|
トーマス、ジェイムス、ヘンリーなどを意識したカラーリングに変更された。 |
パッケージ底面には「SUPE TOMAS」との記載がある。 |
003 >>> 火車侠 托馬斯 超級火車金剛
上海では002発売以降に市場に現れた商品。 パッケージのデザインなどが002や他の「変形トーマス」と異なっていることから、別メーカーによる便乗商品と考えられるが、どちらが先に発売したのか正確な時期は不明。 手足が「ハ」の字に開いておらず、各部の金メッキや武器の附属など001の特徴が多く見られる。 拳パーツが001と同じ取付け方法で、赤車両の再後輪も存在する。 また胴体車両が黒いバージョンや、剣と盾ではなくミサイルランチャー(ロボット時、機関車時どちらにも取付けできない)や、ミサイルのみ(発射装置は附属しない)が附属するタイプなどのバリエーションも確認されている。 |
|
青車両の青色が濃く001に近い印象。 |
附属する武器は002にも取付けられる。 |
004 >>> 新変形托馬斯(NEW TRANSFORMABLE TOMAS)
002を縮小したバージョン。 各部のメッキが省略されているが、パーツ構成や変形方法などは002と共通。 赤車両の後輪の有無や、拳の取付け方法なども002と同じ。 中国では日本などの玩具を、縮小コピーして発売することが多いが、最近では同様の技術を用いて自社の商品(と言っていいのか?)をサイズ違いで販売することも多くなっている。 |
|
カラーリングなどは一部省略されているが、変形やギミックは002と共通。 |
パッケージも002を縮小したデザイン。 |
005 >>> 変形合体托馬斯(NEW TRANSFORMABLE TOMAS)
002をさらに縮小したバージョン。 変形方法やパーツ構成などは同じだが、全体的に作りがチープになっている。 従来の3輛合体トーマスとカラーリングが変更されており、胴体部分が緑、左腕と左足が赤になっている。 パッケージデザインも002や004と異なっており、同一のメーカーが発売したものとは考えにくい。 また、002や004では「TOMAS」、003にいたっては「TUOMASI」だった、パッケージ表記が本来の「THOMAS」となっていることも興味深い。 |
|
顔のペイントが不気味な印象だ。 |
パッケージ。一見して合体トーマスの商品とはわかりにくい。 |
赤車両(胴体車両)の再後輪比較。中央が001、右側が002、左が003。
同じく左から002、004、005。
正面比較。左から、001、003、002。右端はプラレール。
駄菓子屋売りのプラモデル版。